キーノート講演1:手術支援ロボットの実用化への取り組み

川嶋 健嗣 氏(東京大学大学院 教授)
日時:3月16日(水)11:30 ~ 12:30
講演概要:
近年,様々な手術支援ロボットの開発が進んでいる.本講演では,大学発ベンチャーにおける,低侵襲な外科手術を支援するロボットの研究開発の取り組みを紹介する.ロボットの駆動に空気圧アクチュエータを用いることで,ロボットの軽量化,スリム化やダイレクトドライブの利点を活用した外力検知などを実現している.実用化した内視鏡操作支援ロボットと開発中のマスタフォロワー型システムの事例を通して,実用化に向けた苦難の道のりを紹介する.皆様のロボットの研究開発と実用化の一助となれば幸いです.


キーノート講演2:感性工学から感性ブレイン工学へ‐ブレインサイエンスと感性工学の融合を目指して‐

辻󠄀 敏夫 氏(広島大学大学院 教授)
日時:3月17日(木)12:00 ~ 13:00
講演概要:
広島大学の人間工学研究室(現在の生体システム論研究室)では,1980年代前半に感性工学手法を提案し,人間の主観評価結果と物理デザイン要素を統計学的に結びつけることに成功したが,人間の脳活動や生体生理指標を考慮することは困難であった.一方,21世紀に入って脳科学が爆発的に発展し,人間の脳活動を可視化することが可能となった.現在,広島大学生体システム論研究室では脳科学を駆使した「感性ブレイン工学」を提唱し,感性の可視化や感性脳活動のモデル化に取り組んでいる.本講演では,痛みや不快臭に伴うネガティブ感性の可視化,運転操作時の感性脳活動に関する研究成果の一部を紹介したい.